• 中島桂一 一級建築士事務所

インフルエンザウィルスの繁殖を抑える「木の調湿作用」

最終更新: 2月12日

 連日、新型コロナウィルスの感染者が増え続けているニュ-スに接し、不安な気持ちで毎日を過ごしていらっしゃる方も多いと思います。手洗い、うがいなどをこまめに行い、くれぐれも体調に気をつけてお過ごしください。


 1992年に発表された「木造校舎は教育環境に最適」と結論づけた愛知教育大学の調査では、木造校舎や鉄筋コンクリート造でも内装に木材を使った校舎は、通常のコンクリート校舎に比べてインフルエンザの学級閉鎖率が約半分であったと報告されています。湿度が20%を下回るとインフルエンザウイルスは爆発的に増殖することから、木材の調湿機能が良い方に作用していると考えられます。

 木材の細胞の壁を作っているセルロ-スは、水の分子と強く結びつく性質を持っています。木材は通常の大気中では重量の15%程度の水分を含んでいるとされていますが、大気中の湿度が上がってくると水分を吸い込み、湿度が下がってくると水分を吐き出します。つまり常に大気の湿度を一定に保とうとするわけです。木造の室内ですと湿度を60%前後に保とうとします。

 林野庁が行った調査によりますと、柱1本にビ-ル瓶3本分の水分が含まれており、そのうち1本分の水分を吸ったり吐いたりしているということです。また、7mm板の天井、木の柱、土壁、障子が入った8畳間では、大型のバケツ1杯分の水分を調節できるというデ-タもあります。(日本林業調査会「木材に強くなる本」より)

 

 木、土、紙といった日本で昔から住宅の材料として使われてきた自然素材は、室内の湿度を快適な状態に保ってくれるありがたい存在です。蒸し暑い夏を快適に衛生的に過ごすことができますし、冬は過度な乾燥を防ぐことでインフルエンザウイルスの繁殖を抑えるという効果もあります。しかも電気代がかかりません!

 しかし反面、湿気を吸ったり吐いたりすることで、伸びたり縮んだりするという欠点も自然素材にはあります。材木は多少ひび割れたり狂いが出ることもある、というデメリットも理解した上で上手に利用することが大切だと思います。


 木の調湿作用について、一昨年に出版致しました「家づくりの 本当はどうなの?」の中でもっと詳しく説明しています。この本では他にも、30年以上住宅の設計と施工業務に関わってきた経験から、お客様との打合せの中でよく話題に上がる「家づくりの意外な真実」をいろいろ取り上げております。

 これから新築やリフォ-ムをお考えの方に、興味のあるところだけでも読んでいただき、家づくりの入門書、手引書としてお役立ていただければ幸いです。ご希望の方は当社までお問合せください。

 *詳細はこちらのペ-ジをご覧ください→https://www.nakajimarinsan.com/books 住宅設計士 中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」




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